聞いてくれ! 第15回
「選手権、俺なりの想い」


選手権の「チャンピオンフラッグ」が5年ぶりに千葉ホークスの元に帰ってきました。
正直、今の心境は「嬉しい」というより「ほっとしている」といった感じですね。
4年連続決勝で対戦している「王者ワールドBBC」が初戦で敗れると言う波乱があり、昨年のベスト4の「東京クールス」「埼玉ライオンズ」も早々と姿を消した今回の選手権。
千葉ホークスもそれ程チーム状態が良いとは言えませんでした。
(第14回『聞いてくれ』では大丈夫と書きましたが・・・)
選手権が始まる前のチーム練習では、スタメン組みの動きが全く噛み合わず、逆に相手チームにいいようにやられて、イライラする事や不安に思う事がたくさんありました。また、怪我人や体調不良の選手も何人かいて、万全の状態で選手権に入った訳ではなかったのです。

選手権の初戦(三重チャリオッツ)はチームの悪いところが出てしまって、内容的にも満足の行くものではありませんでした。(本当、優勝を狙えるチームとは思えませんでした・・・・・)
しかし試合を重ねるごとに少しずつチームとして機能し始め、準決勝あたりから徐々に千葉ホークス本来のプレーが出てきたのです。

森本文化風呂との準決勝は、序盤から相手にリードを許す苦しい展開となりました。今までの千葉ホークスだったら、焦りや迷いが出てしまい流れを変える事ができずにそのままズルズル行ってしまってたところですが、この試合では、決めるべき選手がキッチリとシュートを決めてチームに勢いを与え、ベンチにいる選手も一丸となって大きな波をチームに引き寄せ、早い段階で逆転する事ができたのです。
途中、森本文化風呂にアクシデント(神保選手の怪我)がありましたが、最後まで諦めず戦う姿勢がとてもすばらしかったと思います。
最終的に勝つことができたのですが、まだまだ課題の残る試合でした。その反面、チームとしての成長も感じられた試合でもありました。

そしていよいよ決勝戦。以前話していた「センターコート」でのゲームにワクワクしながら、じっと試合開始を待っていました。
相手はワールドを破って勢いに乗る「明和BBC」。過去何度か対戦した事はあるんですが、今のチームになってからの対戦は始めてでした。
決勝はワールドとやる事しか考えていませんでしたので、明和への対策は全然立てていませんでした。とりあえず対戦したチームから情報を聞いて、自分なりに考えてはみたんですが、結局「今まで自分達のやってきたことをやるしかない!」という結論に達したのです。
「相手がどこのチームであっても、自分達のやってきたことを信じ、チームを信じ、自分を信じる!」
決勝が始まる前に「この舞台を楽しもう!」と選手みんなに話し試合に入りました。

開始早々、千葉ホークスが連続得点で主導権を握りました。先に点をとられて勢いを持っていかれるのがすごく嫌だったので、この連続得点は本当に大きかったと思います。
選手も5年連続この決勝の舞台を経験しているという自信がプレーにも表れていて、積極的なオフェンス、ディフェンスが随所に見られました。パスも良く回って、思いどおりの試合展開で前半を終えました。
後半に入り、明和も必死に反撃してきましたが、ここで1本ほしいという時の千葉ホークスのシュートが確実に決まって、粘る明和を退け、見事5年ぶりに優勝を飾ったのです。

試合終了後、なぜか涙があふれ出て来ました。この1年、チーム内でいろんな事がありましたからね。
ヘッドコーチが変わったり、安(MVP男)がアメリカに武者修行に行ったり、ベテラン選手の加入や復帰があったり・・・・。
「新しいヘッドコーチのやりたい事がチームに浸透するだろうか?」「安が選手権1ヶ月前に帰ってきて上手くチームと噛み合うだろうか?」「ベテラン選手は今の状況を受け入れてくれるんだろうか?」などなど・・・。いろいろ不安がありましたからね〜。
また、俺がキャプテンになってから4年連続決勝で負けていたし、何より王者ワールドが負けてしまたので、「優勝するのは絶対に千葉ホークスしかいない」と思っていましたから・・・・。
いろんな思いが自分自身の中にあって、試合終了のブザーがなった瞬間、張り詰めていた緊張の糸が「プツン」と切れたんです。そしたら自然と涙が出てきたんです(苦笑)

「個」よりも「チーム」ということを常に意識して昨年からチームを作ってきました。
決勝戦は本当に「チーム」として戦えたと思います。コート上の選手はお互いを信じてプレーしていたし、ベンチにいる選手・スタッフ達も大きな声を出して応援してくれてましたし。。
特にベンチにいる選手達は試合に出たかったと思いますが、チームの為にできることを最大限にやってくれて、チームの勝利に貢献してくれました。また、ヘッドコーチをはじめスタッフの人達も最後まで選手を信じてくれて、本当に選手・スタッフ全員で勝ち取った「優勝」だと思います。
いろいろ大変な事がありましたが、トップページの写真でもわかるように最後はみんな良い笑顔で終わる事ができたので本当に良かったと思います。(自分のやってきたことが少し報われたかな。。)

しかし、これで終わった訳ではありません。俺の気持ちの中では、ワールドを倒さない限り日本一になったとは思えないのです。来年こそはワールドを倒して「真の日本一」となり、どこのチームも成し得たことのない、「史上初の5連覇」に挑戦するつもりです。でも絶対にワールドはレベルアップしてこの選手権に戻って来るでしょう。千葉ホークスも「王者」というプライドは捨てて、常に「チャレンジ精神」を持って今以上のレベルアップをしてまた選手権の舞台に帰ってきます。

ワールド、明和、森本文化風呂、宮城Max、東京クールス、埼玉ライオンズ・・・・
まだまだ強いチームはたくさんあります。
今回の結果に満足することなく、チームと共に自分自身も成長して、日本の車椅子バスケットボールのレベルアップに努めたいと思います。

最後に応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
試合終了後、来場してくださったみなさんと、ゆっくり話をすることができず、それだけが心残りですが。みなさんの声援や言葉(掲示板への書き込み)が大きな力となって「優勝」することができました。来年もまた良い結果が残せるように全力を尽くしましので、今後も応援よろしくお願いします。
また、選手権に係わっていただいたボランティアのみなさん、お疲れ様でした。みなさんの支えがあって選手権が無事に終わったと思います。本当に感謝しています。そしてそんなみなさんと交流会でお話できて本当に楽しかったです。来年も是非選手権でお逢いしましょうね。

本当に選手、スタッフ、そして応援してくださったみなさん、ボランティアのみなさんお疲れ様でした!